「バリ島の海」からすべてが始まった。
私は地元の静岡で生まれ育ち、小学校1年から高校までサッカー一筋の人生でした。
大学は日本体育大学に進学し、もちろんサッカー部へ。
でも、次第に大学卒業後の将来を、見据えるようになりました。
小さい頃からプロを目指していましたが、大学に入る頃には、自分がプロになれるレベルではないと、限界を少しずつ感じ始め、「プロサッカー選手が難しいなら、体育の教員になって子どもたちにサッカーの楽しさを教えよう」と考えるようになりました。
大学で、保健体育の教員免許を取得し、将来は学校の先生になる。
ほとんどの学生が部活動に所属する日本体育大学でサッカー部を辞めるというのは、難しい決断です。周囲の学生のほとんどが部活動を続けていたので、孤立感を覚える時期もありました。
そんな中で夢中になったのが「サーフィン」との出会いでした。静岡は海が近くサーフィンをするには、最高の環境で、週末はサーフィン三昧の日々でした。
何事もとことん追求するタイプで、日本よりもいい波を求めて、お金と時間をやりくりしてインドネシアのバリ島やオーストラリア、ハワイなどを訪れるようになりました。授業がある期間は、バイトでお金を貯め、夏休み、冬休みの長期休みは、海外で過ごす生活になりました。
—— でも。
そこで目にしたのは、美しいバリ島の海だけではなかった。
思いもしなかった世界の現実でした。
バリ島の田舎では、20歳前後の若者たちが本当に仕事がなく、生活のために苦労しているんです。
日本では、食べるものにも困らないし、具合が悪ければ国民皆保険制度で誰もが病院にも行ける。仕事があるので、自分の意志で働いて趣味でサーフィンを楽しむこともできるし、海外旅行ができる。
そうした当たり前の環境が、世界ではどれだけ貴重なことか。私は全く知らなかった。
いま、T&Tグループでは障がい者支援事業を軸に高齢者支援、看護支援、介護支援、不登校支援を通して、2040年問題でもある、少子高齢化問題に取り組んでいます。難問を抱える日本で、誰もが自分の力を発揮し、明るく幸せに暮らせる社会を目指しています。 この「社会問題の課題解決」に挑む意識は、20歳の時に出会った、バリ島の海で生まれたのかもしれません。

起業家として社会を変えたい。
でも、虚しかった。
ある時、バリ島で知り合った現地の友人が、「一緒に飲食店をやろう」と話してくれました。
心のどこかで「やってみたい」と強く思いました。当時の開業に必要な資金は3000万。
私の手持ちはたった数十万円。そのお金はなかった……どうやって資金を集めようか考えました。
それが自分の中で初めて「起業」という意識が芽生えた瞬間でした。
でも、形にはならなかった。半年ほどして、彼が病気で亡くなってしまったからです。
彼は24歳。私は21歳でした。日本であれば治るような病気でした。おなかの風邪でした。治療費を送ってあげればよかったのか? いや……それよりも、彼には店を持って働きたいという意志があった。
「もし自分にもっと力があって、経済力があって、彼に仕事を作ってあげられたら」。
強く後悔しました。
動けるときに行動しなければ、手遅れになる。大学3年生の冬「起業家になる」と決めました。
正直に話しますが、会社ならなんでも良かった。ただ仕事を生み出せる人間になりたいと思いました。
ただ、大学生の私には、何の能力もなかった。
能力をつけなくては、急速に成長しなければ。
そして、新卒入社でレイス株式会社に入社しました。優秀な人材を引き抜くヘッドハンティングの仕事です。優秀な人材に日々接することで、最速で成長できるのではないかと考えたからです。
入社してからの1年間は、馬車馬のように働きました。毎日帰宅するのは、翌朝。「質がないなら量でカバーするの精神」で、大量の業務に忙殺される日々でした。何が書いてあるのか全くわからない日経新聞を毎日読み、社会がどのようにまわっているのかを少しずつ学んでいきました。
そんな日々でも、常に自分が起業した後のことを考えていました。社会に何が必要とされているのか? どんな人材と仕事をしたいか? どんな組織を作れば会社が成長できるか? どうすれば利益をあげることができ、たくさんの報酬を払えるのか?
はじめての起業、24歳。
IT業界での起業でした。新卒入社の同期と数名での起業でした。SNSが普及し、これからはインターネットだという時代。インターネットでの集客をお手伝いする事業で、業績は順調に成長し、クライアントからも評価をいただいていました。
これから会社を大きくし、経営する法人も増やしていきたい。
——会社は計画通りの成長を遂げていました。
7年の経営者生活の中で、会社の業績は好調。でも、どこか「虚しさ」を感じていました。ITの仕事はお客様と「喜びの声」が遠いんですよね。
顧客先の社長や担当者は確かに喜んでいる。でも、その先にいる顧客は本当に喜んでいるのか。そんな思いがありました。
家のない人に住まいを提供したり、お腹を空かせた子どもに食事を届けたり。
目の前の困っている人に手を差し伸べて、「ありがとう」と直接言ってもらえるような仕事がしたいと思いました。
そのときに考えたのが「福祉・教育・子育て支援」の分野でした。
私の母は長年公立幼稚園の園長として保育に携わっており、弟は保育士でした。
地元の静岡で「誰もが安心して暮らせる社会を創ろう」と決めました。
そして2015年に障がい者支援の道を選び、T&Tグループを設立しました。
障がいを持っている子どもを療育支援する放課後等デイサービス「かぶとむしクラブ」誕生の経緯です。
T&Tグループ誕生。
社会で生きていける子どもを育てたい。
T&Tグループが支援している子どもたちは、発達障がいや知的障がい、精神障がいなど、生きていくうえで、困難を抱えています。
そして、大人になると働けなくなったり、引きこもってしまったりするケースもあります。
日本では今、50人にひとりが社会との接点を失っていると言われている。この人たちが労働者・納税者として少しでも社会に参加できるようになれば、日本は大きく変わる。
T&Tグループはその役割を担っています。


だからこそ、放課後等デイサービス「かぶとむしクラブ」の教育のテーマは「基礎基本の確立」と「コミュニケーション能力の獲得」です。
障がいの有無にかかわらず、すべての子どもに共通しますが、まず「挨拶ができる子」。そして「可愛がられる子」。困った時に「助けてください、と言える子」に育てること。社会の中で、自立して、自分の力で生きていくことができる力を育む場所を目指してきました。
子ども食堂を開いたり、キッチンカーを走らせたりして、「社会って楽しいんだ」ということを子どもたちに伝える活動を行っています。働くこと、人の役に立つことで生活が循環する仕組みを作ることを目指しています。
そのうえで、就労支援。障がいがあっても社会で必要とされるんだ。活躍できるんだ。そういう場所が圧倒的に足りない。彼らが働け、活躍できる仕事を、T&Tグループが創っていく。
就労継続支援B型「かぶとむしワークス」は、動画編集業務やホームページ制作や3Dプリンターでのモノつくり、AIを使った学習など、付加価値の高い仕事をしています。
採用向けや販促向けのTikTokやインスタのショート動画制作を行っています。


今まで「障がい者はごく単純な作業しかできない」とされてきた枠を超えて、新しい仕事をどんどん作っています。やればできるようになる子を、私たちが「何もできない」と決めつけてはいけない。
付加価値の高い仕事が社会で評価され、高単価の仕事をすることで「自立すること」が何よりも大切なのだから。
それは、子どもだけでなく親御さんも一緒です。

「かぶとむしクラブ」で、親の人生も救う。
発達障がいのお子さんを持つ親御さんの中には「自分がいないと、この子は生きていけない」と責任を負いすぎてしまう方が少なくありません。
その結果、子どもとの依存関係を生んでしまうこともあります。愛情を持っていても、親が全て抱え込めば子どもが外に出る機会を奪いかねない。
90歳の母親が60歳の面倒を見ている。9060問題。最近は、そんなご家庭のご相談が多くあります。癌と診断されて、余命半年。今まで家族でなんとか面倒を見てきたが、いよいよそうも言っていられなくなった。「お母さん、大丈夫だよ」と声をかけました。でも、全然大丈夫じゃないんです。今すぐ、なんとかしなきゃいけない。
本当に困難を抱えている子どもたちの多くは、親御さん自身もまた何かしらの問題を抱えています。“クレーマー”と呼ばれる親も、実は「助けを求めている」シグナルなのだと思います。
そうした親御さんたちには、地域の中で頼れる場所が必要です。「自分が全部抱えなくていい」と思えるようになる。困ったときに「助けて」と言える。
その環境を提供することも、私たちの役割だと思っています。放課後等デイサービス、就労継続支援、障がい者グループホーム、訪問看護、訪問介護を通して、親御さんやご家族のご負担や苦しみも和らげたいのです。
そのために、何より重要なのは「T&Tグループ」で働く仲間の存在です。様々な資格、経験をもったメンバーで支えていく。
保育職・介護職は「報われない仕事」であってはならない。
私はT&Tグループで働く保育職や介護職の待遇をもっと上げていきたいのです。
保育士や介護士の給与が安いのは、国の制度上の問題です。その結果、保育職や介護職を目指す人が減り、2040年問題のような大きな社会課題につながっています。
その状況を、まず当社が企業努力で変えていきます。T&Tグループは介護・教育・福祉・看護・就労支援など収益構造を多角化しています。グループ全体が強い組織を作っていくことで収益を確保し、現在すでに、地域では、同業他社より高い給与を設定できています。
しかし、まだまだ足りない。この仕事はもっと評価されるようになる。これまで話してきたように、非常に価値が大きく、難しい仕事です。
福祉・保育・介護の業界は「ヒーローの業界」であるべきなんです。
だからこそ、社員教育をとても大切にしています。職種や役職・階層ごとにテーマを変え、毎日のように研修を行っています。現場で学ぶ技術も重要ですが、「なぜこの仕事をしているのか」「なぜ利益を上げなければならないのか」といったマネージメント研修から、「保育論」「保護者支援」といった実務研修まで幅広く実施しています。
現場で働くうちは現場を極め、管理職になればマネジメントを学ぶ。どんな環境でも活躍できる人材になり、地域の中でオピニオンリーダーとなり、業界全体の待遇を引き上げていく。入社3年でマネージャーになれるプログラムを組んでいます。
T&Tグループが創業して10年。
これまでの10年は「名乗りをあげる」。
これからの10年は「福祉業界No1に」。
その次の10年は「世界一の会社に」。
まずは静岡でナンバーワンになること。
今後、3年間で100施設を開設する計画を立てており、静岡市・焼津市・藤枝市・富士市・富士宮市・島田市・掛川市・菊川市といった地域を中心に事業を展開していきます。
さらに自社で人材を育成できる体制を築きたいと考えています。また、将来的には、サービス付き高齢者住宅の分野にも力を入れ、老後を安心して幸せに暮らせる環境を拡大していきます。
2040年に向けて、日本は超高齢化社会を迎えていく。これほど急速な高齢化問題を抱えている国は、日本だけ。だからこそ、日本の福祉の成功モデルはこれから世界に広がっていく時代が必ず来る。
そのとき、T&Tグループが業界をけん引する立場になる。

あなたへのメッセージ
現在、T&Tグループは社員300名を超えました。
3年後には1,000人。
将来的には2,000人規模に成長させたいと思っています。
だから私は、これから入社する社員全員を「幹部候補」だと思っています。
これからのT&Tグループを担うリーダーになってほしい。そのために研修体制を整え、労働環境を良いものにし、最高水準報酬を追求していく。そのうえで、顧客のニーズに合った拠点を増やし、リーダーシップを発揮できる人を育てていきます。
大学や専門学校で学んでいる方。
現職で、保育・介護・看護の現場で頑張っていらっしゃる方。
あなたの力をぜひ貸してください。
理想の社会は、私たちの手で創る。
志を持つ方々と一緒に、より良い社会を建設していきましょう。

